2006 迎春
   







NHK土曜ドラマ『氷壁』について

 ゲストブックで昨年8月30日にミオ様からの書き込みで『氷壁』の放映を知り、父共々楽しみにしていましたが、12月上旬から放送されている『氷壁』のPRで、ナイロンザイル事件が削除されている事に気付き愕然としました。 いち早くいただいた厚顔様からのゲストブックでのご意見で、井上靖氏のご遺族の方へ、「今更放送中止をお願いする訳にもいかず、せめて毎回の放映時に、テロップで井上靖氏原作の『氷壁』はカラビナが壊れて墜死したのではなく、ナイロンザイルが切れて墜死した事。その−ナイロンザイル事件−がモデルになっていた旨を流して頂きたいと思います」とお手紙を差し上げましたところ、著作権継承者のご長男から丁寧なお電話を頂きました。私共からの手紙を受け取られてすぐNHKの方に連絡して下さり、「12月16日に行われたドラマ『氷壁』の記者会見の場でナイロンザイル事件を省いた経緯等の説明を入れていただいた。また、これから掲載される『氷壁』のHPに、同経緯を載せていただく事になったので、ご容赦願えないか」と言うことでした。こちらとしては、前記のように、毎回の放映時に、テロップで「原作ではナイロンザイル事件がモデルになっている」ことを流して頂けるようお願いしましたが、難しいようでした。 その後も『氷壁』のPRが放送されるたびに、各方面の方々からご意見をいただきました。 暮れの28日に父が入院し、HPの事も気になりつつ、病院で元旦を迎えました。 暮れも押し迫った12月30日にNHKの『氷壁』番組部のプロデュ−サ−の方から書留速達を頂ましたが不在で、元旦の朝、岩稜会(父が会長を務める山岳会)の方が名古屋の病院に届けて下さいました。内容は丁寧なお手紙を添えてのドラマ『氷壁』のHPに載せる文案でした。早急にナイロンザイル事件の本を作る事に協力して下さっている方々と文案の検討をして、変更箇所や追加箇所についてのお願いの文をお送りしました。プロデュ−サ−のAさんは誠意溢れる方で、何度もお電話下さり、こちらの文案も殆どそのまま採用して、『氷壁』のHPに掲載して下さいました。父の退院いたしました6日から載せていただいています。是非、ご覧下さい。

  http://www.nhk.or.jp/dodra/html_hyou_midokoro.html






-冬の恒例企画「氷壁」展-
「ナイロンザイル事件」から50年の教え


2006年1月12日(木)〜2月28日(火)

みどころ
 1.絶対に切れるはずのない8ミリナイロンザイル・・・そのザイルが岩角で切れたことにより起きた「ナイロンザイル事件」

 2.ザイルの欠陥を証明し事件解決に向けて実験報告を重ねる岩稜会側と、操作の誤りについて主張するメ−カ−側が対立

 3.今回の「企画展」ではザイルの欠陥が暴かれ、国の安全基準が制定されるまでの岩稜会の足跡をたどります。 真実解明に向けて国を動かし日夜実験に明け暮れた姿には、山に生きる人々のひたむきさが伝わります。 ナイロンザイルが色あせた今も、当時からの熱意は語ります。


展示
 1.事件に遭った若山五朗氏(『氷壁』では小坂)が着用の用具
アイゼン・ピッケル・キスリング(大リュック)など

 2.メ−カ−による公開実験に使用した8ミリナイロンザイル

 3.その他山岳用具

 4.「ナイロンザイル事件」解明に向けて岩稜会がまとめたガリ版刷り「報告書」
   ※200部作成、現在では入手困難

 5.井上靖『氷壁』執筆・取材の様子 写真パネル

   ※「報告書」レプリカや関係資料を手にとってご覧いただけます。


協力
 石岡繁雄氏(「岩稜会」代表・故若山五朗実兄)
 石原國利氏(『氷壁』魚津モデル・「岩稜会」メンバ−)
 市立大町山岳博物館


後援
 井上靖記念文化財団


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